ママの誘導尋問
我が子と買い物に行った帰り道。
我が子が案の定ぐずり始めた。
ウィンドウショッピングも、公園も、
楽しいことはもう終わりだと分かってしまうのか、
帰り道というのは、ぐずることが多い。
陽も陰ってきて、
人々が影を引きずり家路を急いでいる様子も、
少し寂しい感じもするのかもしれない。
今日はスーパーで買ったバナナをあげて、
気を紛らわせることにした。
生田「バナナ、どうぞ~」
我が子「うん、ばなな~」
美味しそうにバナナを食べる我が子。
ご機嫌が治ったみたいだ。
生田「バナナ、おいしい?」
我が子「うん、ばなな、おいし~」
生田「どう? 甘い?」
我が子「うん、どう、あまい~」
私の言葉を繰り返し、もくもくとバナナを食べる我が子。
ちょっと面白くなってしまって、つい。
生田「ばなな、イエーイ!!」
我が子「ばなな、いえーい!!」
ちょっと悪かったなあと思って、
生田「ごめんね~。ママふざけちゃった~」
と謝ると、
我が子「ごめんしゃーい」
と一緒に謝る。
生田「君は悪くないのよ。謝らないでいいのよ」
我が子「うーん???」
我が子はまだ言葉をモノマネしてしまう。
それでも、そこには我が子らしい気持ちが感じられる。
あとどれくらい、こんなおバカなやり取りできるかな、
などと思いながら、少し先の未来を思う。
こどもは日々成長し、一日、一日と、親から離れていく。
けれど、我が子が十分に成長し、
自分の言葉で自分の気持ちを伝えられるようになっても、
それが私たちの距離を遠ざけるものではないはずだ。
未来の帰り道にも、きっと
大きくなった我が子との会話が待っている。
その日を楽しみにしていよう。
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