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2011年4月 7日 (木)

読み返しやすい日記の書き方

昨日、「みんなも日記書いて!」というお話をしたので、
今日は日記の書き方をまとめてみようと思います。

いろんな日記の書き方があるのですが、
私は、「読み返すための日記」をお薦めしたいです。

「読み返すための日記」とは、
言い換えると、「自分の心を確認できる日記」です。

自分の気持を書いて整理することができるので、
自分がなにを考えているのか知ることができ、
不安や焦りが薄くなります。

そして、またその書き出すことでわかった
自分の考えに基づいて、アクションを組み立て易くなります。


■読み返しやすい日記の書き方・前半


(1)「気になる」を書く

 「日記に、なにを書けばいいの?」という方々は、
 「日記は、今、気になることを書くもの」だと考えるといいです。

 「感動的な」とか「文学的な」とかは思わないでいいです。

 気になることを箇条書きに書きだして、番号を振っておきます。
 これで「気になる項目」のずらっと並んだ、「もくじ」が完成します。


(2)各種「気になる項目」への感情を書く

 次に、「もくじ」に書いた各種「気になる項目」について、
 思ってることを箇条書きにします。

 その時、まず「感情」を短い言葉で書いてしまいます。
 「怖い」「うれしい」「不安だ」「楽しみ」とか、そういう感じです。

 それで、その後、その「感情」に「理由」をつけていきます。
 「〇〇だから怖いんだ」とか「バツバツだから楽しみだ」とかです。

 またその「理由」に対して、思ったことも書いておきます。
 このとき、頭を一文字下げると見返しやすいです。

 これを全部箇条書きにしておきます。
 


これで「読み返しやすい日記」の前半戦終わりです。
試しに、私も書いてみます。


■気になるもくじ

 (1)被曝
 (2)地元の状況


■(1)被曝

 ・とにかく怖い

 ・眼に見えない、だから怖い
  ・眼に見えないと今の危険度がわからない
  ・対処法がどれくらい有効かもわからない
  ・ホコリみたいに眼に見えてくれればなあ

 ・足し算だから怖い
  ・被曝は蓄積されていくものでリセットされない
  ・水、空気、食べ物などから影響があるという
  ・では今まで合計でどれだけ被爆してたのだろう?

 ・子どもが心配だから、怖い
  ・小さな子は大人よりも影響を受け易いという
  ・子どもを守ってやりたい


■(2)地元の状況

 ・心配だ

 ・残った人たちが心配だ
  ・物資は届き始めたというが足りているのか?
  ・仕事は大丈夫なのだろうか?
  ・子どもたちは大丈夫なのか?

 ・避難した人たちが心配だ
  ・南相馬市の市役所は避難せず残っている
  ・避難した人たちは市からのサポートを受けにくいのでは?

 ・南相馬市が今後どうなってしまうのか心配だ
  ・南相馬市は避難指示区域と屋内退避区域にまっぷたつに割れている
  ・住民の皆さんも避難する人たちと、残った人たちに別れてしまった
  ・南相馬市として、対策が取りにくいのではないか?


こんな感じで各種「気になる項目」について、
その内容も箇条書きにしておきます。
次は、読み返しの実践に入ります。


■読み返しやすい日記の書き方・後半


(3)感情チェック

 各種「気になる項目」に書いたことを読み返します。

 まずすべての「気になる項目」の「感情」を読むことで、
 自分の今の状態がわかります。

 今、怒ってるんだとか、悲しいんだとか、
 それらが混ざりあっているんだ、とかです。

 上の私の日記の例だと、
 私は「怖くて心配な状態」にあるということがわかります。


(4)はてなチェック

 つぎに「気になる項目」の「理由」を順に見ていきます。

 理由の中に、「?」がつく箇所とか「わからない」とか
 「~じゃないのか」「~だったらいいのに」「~したい」という
 書き方をしている箇所がいくつかあると思います。

 これは自分ではハッキリと「こうだ」「こうする」と
 言い切れない、割り切れない、踏ん切れない、
 というものなのです。

 現状、今の自分にとってはよくわからないことで、
 「はてな?」となって困惑してしまう「不透明な要素」です。

 この「不透明な要素」の見える箇所にマークをつけてください。
 紙に書いているのであれば赤ペンチェック、
 ブログなどなら、矢印や★マークがいいです。

 そしてその「不透明な要素」を、
 少しでも自分がわかるものや納得出来るものにするため、
 自分が考えつく「アクション」を書いてください。

 「アクション」は動詞です。
 「調べる」とか「やってみる」とか「行ってみる」とかです。
 見やすさのため、「びっくりマーク!」をつけることをお薦めします。

 上の私の日記の例ですと、


■(1)被曝

 ・とにかく怖い

 ・眼に見えない、だから怖い
  ・眼に見えないと今の危険度がわからない
  ・対処法がどれくらい有効かもわからない
  ・ホコリみたいに眼に見えてくれればなあ
    ★→計測してるサイトを探そう!
    全国放射線量マップ

 ・足し算だから怖い
  ・被曝は蓄積されていくものでリセットされない
  ・水、空気、食べ物などから影響があるという
  ・では今まで合計でどれだけ被爆してたのだろう?
    ★→被曝蓄積を計算できる資料を探そう!
    被爆量積算値

 ・子どもが心配だから、怖い
  ・小さな子は大人よりも影響を受け易いという
  ・子どもを守ってやりたい
    ★→今やってる子供への防御策を見直そう!


と、こんな風になります。
ブログはリンクを貼ることで、外部知識を簡単に
取り入れられるれるところがいいですね。

上の例ですと、★の数が増えるほど
自分の悩みや思いに対して、
自分から何かをすることができるようになります。


これで「読み返しやすい日記の書き方」の説明は終わりです。

日記を書いた後は、心の内容物を吐き出した状態になるので、
少し心が軽くなります。

その少し軽くなった心で思ったことも、
さいごに書き添えておくことも忘れずに。

そこには、日記を書き終え、自分の心を確認した
今の自分が現れています。

思いついたアクションの数や結果よりも、
今の自分が現れる、その一文を大切にしてください。

こういうときに、こう行動して、そしてこう思う。
その「思い」の積み重ねが、次の「行動」を引き出します。
「思い」が、自分というひとの根っこにあるのです。

日記を書くのはいいことです。
自分の心の状態がわかったり、
次の行動のためのヒントが見つかったりします。

自分の思いがはっきりしてくれば、
社会との関わり方を自分がどうしていきたいのか、
自分がどのように生きていきたいのか、
そういうことも確認でき、行動しやすくなります。

日記は、自分の人生を前向きに進めていくためには、
使いやすい身近なアイテムなのです。


この日記の書き方は、
私がゲーム関係のアイデアを整理するときの
書き方を元にしています。
ですのでネタ帳などにも向いているかと思います。

特徴は「もくじ」があることです。
「もくじ」があると、ひとつの「気になること」に対し、
自分の考えが時間と共にどう変わっていったのか、
その変化を遡ってたどることができるのです。

書きたい気持ちがあって、
でも、どうしていいのかわからない、
そんな方々の力になれればと思います。

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