きざし
4月4日、東京電力は汚染水を
海へ意図的に排出してしまったと言います。
「東電は」という主語で私たちは受け止めるけれども、
世界から見れば、主語は「日本は」なのだと思います。
魚のこと。
漁師さんのこと。
生体濃縮のこと。
世界的サーフィン大会も行われる、
うつくしい福島の海のこと。
またひとつ絶望を、
みんなが抱えてしまったような気がします。
でも、まだ戦いは続くのです。
実験場のようになってしまった日本という箱庭で
不安に心を犯されながらも、
私たちは、日常を取り戻そうと、
少しでも明るい未来をつくろうと、足掻かねばなりません。
だからこういうニュースに胸が熱くなります。
現場でがんばっている人たちがいる。
瓦礫のようになってしまったふるさとで、
新しい家を、職場を、町を暮らしを、イメージしている人たちがいる。
そのイメージが人々を前に向かせて、つき動かしてる。
だから、どんなに奪われても、
絶望に心の全部を明け渡しちゃダメなんです。
自分の意思で、心を守る。
まわりのひとの心の重荷も分かち合う。
そして、この手で新しくできることはあるのだと信じて、
足掻きたいのです。
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