どっちなの?
避難区域が見直しになると聞き、少し期待していました。
屋内退避が解除されて、大手を振って復興できるのか?
避難指示が出され、国のお墨付きを貰って、
みんなで避難できるのか?
どちらかの結果を望んでいました。
ですが、この記事を読み、よくわからなくなりました。
まず今までの避難区域は、私の理解ではざっくりとこうでした。
(A)20キロ圏内
……避難指示 「危ないから逃げなさい」
(B)20から30キロ圏内
……屋内退避と自主避難
「危なくはないけど外出は気をつけてください」
「逃げたければ是非どうぞ」
この避難区域の分け方で、
大きな問題がふたつあるのだと思っています。
(問題1)20から30キロ圏内でも、
放射線の積算量が高い地域がある
屋内退避していたけれど、
20キロ圏内(避難指示区域)に匹敵するほどの
積算量になっている。
もはや避難指示を適用すべきではないのか?
(問題2)以下の理由から屋内退避では生活に支障が出る。
・通学、通勤、買い物で外には出るため。
・危険区域とみなされ、外から物資や人が入ってこれないため。
そこで、自主避難というのが曖昧なので、
避難すべきなら避難指示を出すべきではないのか?
そうでないのなら、屋内退避も解除して欲しい。
つまり、安全か危険かハッキリしてほしいという
意見があったのだと思っています。
上記の大きな問題ふたつを簡単に言うと、
(問題1)20から30キロ圏内でも危険な場所がある
(問題2)屋内退避と自主避難はやめて、避難指示に。
あるいは屋内退避解除にして。
だいたいあっていますでしょうか?
そしてそれらを受けて、
11日に発表された「計画的避難区域」は
どうなったのかを見ていきますと、
(A)20キロ圏内
……避難指示、これは変わらず
(B)20から30キロ圏内
(B‐1)計画的避難区域
(B‐2)緊急時避難準備区域
となりました。
20から30キロ圏内への対応が細かくなったように見えます。
(B‐1)計画的避難区域とは、
20から30キロ圏内でも、放射線の積算量が
年間20ミリシーベルト以上に達すると予測される地域のこと。
この区域には、国が避難を呼びかける。
これは(問題1)の20から30キロ圏内で屋内退避していたけれど、
20キロ圏内(避難指示区域)に匹敵するほどの
積算量になっている区域への対応にあたると思われます。
避難のため準備期間が設けられるようですが、
避難指示に近い形に見受けられます。
福島県の葛尾村、浪江町、飯舘村、
川俣町の一部、南相馬市の一部が入るそうです。
一方、(B‐2)緊急時避難準備区域とは、
20から30キロ圏内で、「計画的避難区域」にならない
すべての地域だそうです。
福島県の広野町、楢葉町、川内村、田村市の一部、
南相馬市の一部が入るそうです。
この緊急時避難準備区域では、緊急事態が生じたときには、
原則的に自力での避難することが求められるのだそうです。
「自分の身は自分で守ってください」
「危険だと思うのなら自主避難して結構です」
と言われているように見えるので、
屋内退避とさして変わらない気がします。
しかし、ここからが違いました。
この緊急時避難準備区域では、
「自力での避難などが困難であると想定される人には、
あらかじめ避難してもらうことが望ましい」
「特に、子どもや妊婦、要介護者、入院患者は、
この区域に入らないようにすることが引き続き求められる」
だそうです。
この「緊急時避難準備区域」は、
どういう意味合いのものなのでしょうか。
妊娠の疑いがない成人女性と、
健康な大人たちしか入ってはならない区域なのでしょうか?
私には屋内退避より、危険度が増しているように思えました。
危険なのか安全なのか……。
混乱してきます。
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