大雪バレンタイン
バレンタインデー、東京では大雪でした。
夜、あまりに寒いので、
暖かいお風呂にしようと準備していたら、
突然、雪国育ちの主人が、
「美和さん、雪とってこよう!」
とナイスな提案。
さっそくこどもに厚着させて、
ボウルを持って、いざ出発です!
植え込みの上に積もった雪を
ざらざらと集めます。
こどもは、雪景色におおはしゃぎです。
ボウルいっぱい雪を集めたら、
家族みんなで熱いお風呂へ。
風呂釜にどんっとボウルいっぱいの雪を置いて、
「さあ、雪だよ~。いっしょに遊ぼうね」
と我が子に言うと、目を丸くして、
「ゆ、き!」
と、笑います。
我が子は、ちいさな雪を少し取り、
手の中で冷たさを楽しむと、
その雪を握ったままの手をお湯に沈めて、
雪が溶けていくのを楽しんでいるようでした。
我が子が生まれたのは雪国です。
生まれた年と、その翌年にも大雪が降っていました。
その雪を私たちは一緒に見ていたはずなのに、
この子にとっては、このバレンタインの雪が
はじめてなのでしょう。
そして来年には今日の記憶も薄れて、
我が子の中には、また
新しい雪の記憶が書きこまれていくのでしょう。
子どもの成長は早く、子供で居られる時というものは
あっという間に過ぎていきます。
おとなの過ごす一日の中で、子供たちはまるで、
二日分も、三日分も生きているように、
濃厚な時を過ごしています。
幼い頃の記憶は、それを体験した瞬間から、
過去へと追いやられ、思い出にすら残らないのです。
今こうして、我が子と過ごしている時間は、
我が子の中に思い出としても残らないかも知れない。
それはほんの少し、寂しいことではありますが、
それでも、その楽しかった時間が、
何かを育む土壌になるのかも知れないと、
私は思っているのです。
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