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2011年1月26日 (水)

サガ・フロンティア~アセルス編~回顧録・その1

「ラジカル・ドリーマーズ」に続きまして、
今回は「サガ・フロンティア」の「アセルス編」について
昔語りをさせていただこうと思います。

アセルス編については思い入れも深く、
長くなりそうなので、三回に分けて書かせていただきます。



(1)憧れの地へ

サガフロは1997年7月に発売されました。
「ロマンシング・サガ・シリーズ」の後継シリーズです。
私にとっては、二本目に携わった作品となります。

実は私はロマサガの大ファンでした。
スクウェアの面接時に、
「感動したゲームはロマサガです!」と言ったほどです。

ロマサガのなにに感動したのかとの理由を、
当時面接にあたってくださった方々に尋ねられ、
「自分が世界の中心じゃないからです」という説明をしました。

自分を置いて世界はどんどん進んでしまう。
現実は、いつも自分を待ってなどくれない。
それが、このロマサガにはある。

フリーシナリオへの感動を、
つたない言葉ではありましたが、熱く語りました。

どこまで伝わったのかはわかりませんでしたが、
「ああ、この子は完全にサガ系だなあ」と
言われたのを覚えています。

そんなわけで、ラジカルを終えて、
サガ班に配属されたときの喜びは格別でした。

しかし、その一方で、
自分が大好きだったロマサガをサガフロという
まったく別なゲームにしていく仕事には、
「これでいいのかな?」という不安がいつも
つきまとったものでした。



(2)開発二部の教え

そんな喜びいっぱい不安いっぱいな新人の私を

「ゲーム作りは、
 毎回新しいものに挑戦するものなんだから、
 シリーズ物なんて枠は気にしないでいいよ」

と、暖かく迎えてくれたのが、
サガ班の企画チームの先輩方でした。

サガ班は当時、開発二部と呼ばれていました。
その印象は――誇り高い職人軍団!、でした。

当時のサガチームは二十名程度だったでしょうか。
スクウェア黄金期を支えたRPG三本柱の
あのサガシリーズが、こんなにコンパクトな開発で
行われていることに驚愕したものでした。
まさに、少数精鋭です。

人数が少ないということは、
ひとりひとりの責任が重いということでもあります。

当時、他のタイトルでは分業が進み、
ゲームのバトルやイベントをバラバラの部品に分けて、
それだけをやっていれば後のことは出来なくて良い――
というような風潮もあったのですが、

サガフロの開発には、
参加するなら全てに関わり、いろんな部署をまたいで、
なんでも引き受けて、どんなに苦しくとも
最後の最後まで面白いものを詰め込んで行け!、
という風土がありました。

バトルしか出来なくなるな、マップしか出来なくなるな、
バトルもマップもイベントも、面白さは至る所に宿る、
だから、すべてを触れるプランナーになれ!
というのです。

私はイベント班に配属されましたが、
そうした先輩方の教えに従って、
マップ班もお手伝いさせていただきました。

妖魔の世界ファシナトゥールの、
あの薔薇のほわんとした光や棺の輝きは、
容量的になんのアニメもつけられないと言われた
針の城に、どうしても動きを出したくて、
私があれこれ考えて、
慣れないPhotoshopでつけたものです。

マップ作業は良い経験でした。
誰よりも早く、新しい世界を冒険できるような気がして、
とにかく楽しかったです。

RPGゲームの物語は、台詞だけではなく、
世界や設定にこそ宿るものです。

台詞はなくても、世界が歌い出す瞬間がある――。

RPGシナリオへの理解が、
マップに触れることでより深まった気がします。

その他にもイベントを動かすための
簡易プログラムのテストを任せていただいたり、
手付かずのダンジョンが突然降ってきて、
半日で世界観を仕上げたりと、
企画屋としてひととおりの修行をさせていただきました。

自分が組んだプログラムのとおりにキャラが動き、
自分が書いたメッセージのとおりにキャラが喋り、
自分がつけたアニメでマップがキラキラ光りだす。

憧れていたとおり、RPGの開発現場は感動の連続です。
触れるもの全てが輝いていた――
そんな新人時代でした。

サガ・フロンティア~アセルス編~回顧録・その2につづく

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2011年1月17日 (月)

きっと届くよ

これは一年以上前のお話。
育児と悪戦苦闘していた時のこと――。

慣れない育児に疲れて、
子供もまだ小さく喋れないことから
ふと気づくと無口になってしまっていた。

これじゃいけない!と、折れそうな心に鞭打って
楽しいことを話すように心がけた。

電車が来れば
「電車さん来たねえ」、

電車を降りれば
「電車さんありがとう。気をつけてね~」


やがて我が子も大きくなり、離乳食を食べるようになり、
少しずつ手がかからなくなってきた。
言葉にも興味が出て、私の真似をして喋るようになった。


生田「あ、電車いったね!」

こども「あ、でんたった!」

生田「ばいばーい! お気をつけて!」

こども「ばっばーい! おてって~!」


最近、食べるものも大人と同じになった我が子。
お喋りもすっかり上達し、言葉をつなげて、
たどたどしくも文章を喋れるようになった。

そして――。
私が、すっかり電車に話しかけることが
なくなったある日のこと。

我が子が、電車から降りたとき突然、
去っていく電車にちいさな手を振りこう言った。


こども「でんたったん!

    あんがと~! きおっててね~!」


電車さん、ありがとう!気をつけてね!

一年前の自分が放った言葉が時を超えて、
やってきた気がした。

はじめは真似っこだったかもしれない。
意味もわかっていなかったかもしれない。

けれども今は、
自分の気持ちでこの言葉を選び、
自分の意志でこの文章を喋っているのだ。

私の声は、いつだってちゃんと
我が子に届いていた――。

そう思うと泣きそうになってしまった。

心は通じていくと思う。
すぐにはわからなくても、いつかは届く。

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2011年1月14日 (金)

シスタークエスト2、コミックデビュー?

「シスタークエスト2~魔剣の騎士と白銀の巫女~」の小冊子です!

20110114

小冊子にはゲームシステムの説明、キャラクター紹介の他、
なんと、プロローグコミックが掲載されています!
シスクエ2のシフォンとステラ、初のコミック化ですね。

もちろんコミックは、キャラクターデザインの
yumiさんが描かれています。
私、生田もシナリオ監修をお手伝いさせて頂きました。

可愛くて元気いっぱいなシフォンたちの日常が、
ちょこっと覗けますよ。

こちらの小冊子はホールさんに置いてありますので、
みなさんホールにお立ち寄りの際は、
是非お手にとってご覧くださいね。

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2011年1月12日 (水)

シスタークエスト2 ~ 魔剣の騎士と白銀の巫女 ~ 稼働!

ついに「シスタークエスト2」、稼働です!

20110112

社長には、これも仕事だからと報告して(笑)、
シスタークエスト2が入っているお店に
遊びに行ってみました!

遊んでくださるユーザーさんのお姿を、
発売日に間近で見られるのは、
家庭用ゲームでは考えられない事態で、
とても新鮮な喜びがありました。

写真は秋葉原のビッグアップルさんの店内広告です。
お店ごとに手作りされるそうで、
こういうポスターも嬉しいですね。

ビッグアップルさんを含め、
都内のホールさんを数店舗まわりましたが、
どちらのお店でも大変熱心にユーザーさんが
プレイしてらっしゃって、胸が熱くなりました。

さて、私も社長推薦の都内の穴場に移動して、
人生初スロットにチャレンジです!

やはり画面で見るシフォンとステラは文句なく可愛い!

声優の皆さんの演技が素晴らしく、
ひとつひとつの演出に見入ってしまいました。

宝箱を見つけたり、
モンスターとバトルしたり、
通行人に話しかけたり……。

やっぱりRPGは楽しいですね!

現在は18歳以上の方限定ですが、
いずれゲームセンターにも導入されるかも知れません。
興味のあるみなさんは是非、
シフォンやステラたちと一緒に冒険してくださいね!

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2011年1月10日 (月)

夫婦レベル13

最近あった奇妙なこと。
執筆フルマラソンで実家に帰り、
久しぶりに我が家に帰ってきた時のこと。

ただいま~!と帰ると、
居間で主人が四つん這いになり
ガックリ肩を落としていた。

「美和さん、俺はもうダメだ…」

「あなた、どうしたの!?」

「俺、臭いそうだったから
 ファブリーズしようと思ったら、コレ…」

と、主人が手にしていたのは…。


あなた!

ソレ、マジックリン!!

「容器は同じグリーンでも、
 泡立ちってヤツが違ったよなあ……」

「……
 お風呂いれましょうね」

みなさん、あけましておめでとうございます。
こんな感じで、我が家は平和です。

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