103年目のプレゼント
馬鹿しかひかないという夏風邪にやられております。
このうだるような暑さの中、
なんの罰ゲームだ、と思いながら病院まで行くと……。
朝から、病院は満員。
おじいちゃんおばあちゃんでいっぱいです。
みなさんご病気のはずなのに、元気いっぱい。
穏やかに楽しげにお話されています。
隣に座ったおじいちゃんに、おばあちゃんが声をかけます。
「お若いわねえ。80歳にしか見えないわよ」
(え? おいくつだろう?)
と、思っていると……
「あっはっは! こんなことしてるもんでねえ」
と、おじいちゃんは器用に変わり鶴を折りあげて、
私に見せてくれました。
他のおばあちゃんも声をかけてくれます。
「こちらのおじいさん、103歳なのよ」
「ええ!?」
おじいちゃんは「縁起物だから」と鶴をくれて
「じゃあね」と言って、颯爽と去っていきました。
(私が百歳になった時、
こんな風に軽やかに笑っていられるだろうか?)
年を取れば少しずつ、
体の自由は効かなくなっていくものだと聞きます。
昨日出来たことが、
ある日突然出来なくなったりするものだと。
誰もがそんな自分に苛立ったり、悲しくなったりしながら、
「でもこれが今の自分なんだ!」って自分を許して、
元気を出して、生きていくのでしょうか?
そんな得も言われぬ不安と同時に、
「大丈夫!大丈夫!」と背中を叩かれている気分になりました。
明治生まれだというおじいちゃん。
軽やかな風のような方でした。
おじいちゃん、おばあちゃん、たくさんの元気をありがとう!
どうぞいつまでも、お元気で!
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