« 会いたかった風景 | トップページ | 思い立ったら70% »

2009年11月24日 (火)

うつる気持ち

赤ちゃんと一緒に動物園でニワトリを見ていたら、
小さな女の子がやってきて、檻にピタッとはりついた。

女の子は、その場所を独占するみたいに
両手をいっぱいに広げてニワトリを見ている。

すると、

「赤ちゃんと一緒に見なさい」

と、優しい声がした。
女の子のおばあちゃんだった。

うん、と女の子はうなずいて、うちの赤ちゃんに、

「一緒に見よう。コケコッコだよ」

と言う。

うちの赤ちゃんはとたんに恥ずかしくなって、
私の足にからみつき、足の間にぐいぐい顔を押し付けて、
一生懸命、隠れようとする。

「なにしてるの?」

と女の子。

「恥ずかしくて隠れてるのよ」

と、答えると、

「ふうん」

と女の子は、珍しそうに、また赤ちゃんを見る。
赤ちゃんは、恥ずかしさが頂点らしく、両手を広げて、

「ん!(だっこ!)」

と、だっこをせがむ。

「あら、だっこなの?」

と、ひょいと抱える。
すると、女の子が、

「おばあちゃん、だっこ」

「まあ、あなたもなの? 重たいのに~」

そう言いながらも、おばあちゃんは笑顔。
二歳半だというその女の子とおばあちゃんは、
よくこの動物園に来るという。

「ここは本当にいい街よ。
 公園も近いし、動物園もあるし、この子といっぱい遊べるもの。
 私、この町が大好きでね」

しばし話が弾む。
目を細めて、にこやかに話すおばあちゃんを見て、
また、この街が好きになった。

091124


写真は、今日のおやつ。
生まれ育った町を訪ねたとき、
お土産に生協で買った薄力粉で作ったケーキ。

|

« 会いたかった風景 | トップページ | 思い立ったら70% »