みんな、ゆらぐ空の下
ある人と街を歩いていた時のこと。
「あ、○○さん!」と、
その人が知り合いらしい年配の紳士を呼び止めた。
私を紹介したいらしいそぶりだったのだが、
「○○さん、この人ね、シナリオライターなの。
それじゃあまたね」
と、それだけ言ってその人は私を促し、
さっさと立ち去ってしまった。
またある時は、
「生田さんに、出産祝いのプレゼントをしたいって人がいたから、
そんなもの生田さんの趣味じゃないわ、って断っておいたわ。
そしたら、生田さんってヘンな人だな!、ですって」
と、こんなことを言われた。
たぶん前者は、
職業だけ紹介するよりも名前も言った方が良かった。
シナリオライターという職業に、
誰もが関心を持っているわけではないのだから、
自慢げにそれだけ言われても、聞いている方も困るだろう。
たぶん後者は、
「気持ちだけで十分」「本人に聞いてみないとわからない」など、
当たり障りのない断り方にした方が良かった。
このままではせっかくの好意を踏みにじった形になってしまう。
私のいる場所で私の名前を言わず、
私のいない場所で私の名前を言う。
こういうことはよくあることだけれど、
なかなか慣れることができずにいる。
こちらは19日の空模様。
不安定な空の方が、こんなサプライズがある。
雨の後には虹も出るように、
不安定でままならない人間関係だからこそ、
いい出会いがひょっこりやってきたりするのかも知れない。
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