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2008年8月14日 (木)

ゲームを作るという仕事

職業を尋ねられて、「ゲームを作っています」と言うと、
ごくごく希にですが、

「ゲームなんて人の害になるような
 代物を作って、恥ずかしくないんですか?」

と聞かれる事があります。

そんなとき、私は自分が子供時代に見てきた、
さまざまなジャンルの作品について話します。

偉大な先輩たちが残してくれた
小説やアニメや漫画やドラマや映画の中には、
たくさんの感動があります。

純粋に面白いもの。
困難に立ち向かう勇気をくれるもの。
人間って良いなあと気づかせてくれるもの。

その作品を見たことで、今、目の前にある現実が
大きく変わることはないかもしれません。

でも、自分の考え方が広くなったり、深くなったりして、
自分が少しだけ変わる。見えてくる世界が変わる。
作品に込められたなにかが、心の栄養になっていく――。
そんなことがあると思うのです。

ゲームも、そういった作品と同じ力を持っているはずです。

ゲームを排除しておけば、
必ず人の心がまっすぐに育つ、というわけでもありません。
バラエティ番組や、漫画や、アニメーションなどを排除しても、です。

何かを禁じることだけでは、何かを守ることはできません。

私はゲームを、子供たちに「見せてもいいもの」ではなく、
子供たちに「見せたいもの」にしなければならないと考えています。
十数年間、そんなことを考えながらゲームを作ってきました。


080814


今日は空がきれいでした。
このなんの企みも持たないただの空を見ても、
すべての人が「きれいだ」、と思うこともないのでしょうけれど。
その違いを絶望とはせず、少しずつ歩んでいきたいと思います。

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