黄金の絆
| 固定リンク
「ヴァルハラナイツ2」の発売から三ヶ月が過ぎました。
ヴァルハラナイツの皆さん、
鏡翼の女神との戦いは終えられたでしょうか?
ヴァルハラナイツ2では、メインシナリオの他、
Web小説『命脈の書 ~prologue of VALHALLA KNIGHTS2~』
も執筆させていただいております。
http://www.mmv.co.jp/special/game/psp/valhallaknights2/novel/
ゲームとWeb小説と、
二つの世界は一見して無関係に見えるのですが、
深いところで結びついています。
女神と魔女の足跡を追う、千年の旅――そのはじまりの物語へ。
興味のある方は、是非、旅立ってみて下さい。
| 固定リンク
主人が気分転換にちょっとだけ、外に連れ出してくれました。
行き先は、素敵な喫茶店――。
主人「美和さんと、こうしてよくお茶に行ったねえ。
なんだか懐かしいな」
ライムスカッシュとあんみつを注文して、
ふたりして、久々の喫茶店気分を満喫していると、
出会ったときのことが思い出されます。
あのころは、主人と結婚するなんて、思いもしなかったのです。
それが、いまは、あかちゃんまで授かって……。
ふたりで歩んできた時を振り返ると、なんだか胸が熱くなります。
生田「ねえ、あなた。
私、お母さんになって変わりましたか?」
そっと主人に尋ねると、
主人「そうだねえ。
美和さんは、
お父さんになって、
いっそう忍耐強くなったねえ」
あなた!
なんで、ソコを変えるんです!?
| 固定リンク
主人があかちゃんをだっこして、ふいに私の方を振り返りました。
「おかあさん、すごいよ。俺、命を抱いてるんだよ」
主人から、「おかあさん」と呼ばれる幸せ。
主人を、「おとうさん」と呼ぶ幸せ。
そして、この手に、あかちゃんをだっこする幸せ。
ふたりのときは想像もできなかった大きな幸せが
力一杯押し寄せてきて、目もくらむほどです。
みんなこんな幸せの中で、
あかちゃんを育てているのでしょうか。
新しい命が、
今そこにある幸せに気づかせてくれます。
| 固定リンク
職業を尋ねられて、「ゲームを作っています」と言うと、
ごくごく希にですが、
「ゲームなんて人の害になるような
代物を作って、恥ずかしくないんですか?」
と聞かれる事があります。
そんなとき、私は自分が子供時代に見てきた、
さまざまなジャンルの作品について話します。
偉大な先輩たちが残してくれた
小説やアニメや漫画やドラマや映画の中には、
たくさんの感動があります。
純粋に面白いもの。
困難に立ち向かう勇気をくれるもの。
人間って良いなあと気づかせてくれるもの。
その作品を見たことで、今、目の前にある現実が
大きく変わることはないかもしれません。
でも、自分の考え方が広くなったり、深くなったりして、
自分が少しだけ変わる。見えてくる世界が変わる。
作品に込められたなにかが、心の栄養になっていく――。
そんなことがあると思うのです。
ゲームも、そういった作品と同じ力を持っているはずです。
ゲームを排除しておけば、
必ず人の心がまっすぐに育つ、というわけでもありません。
バラエティ番組や、漫画や、アニメーションなどを排除しても、です。
何かを禁じることだけでは、何かを守ることはできません。
私はゲームを、子供たちに「見せてもいいもの」ではなく、
子供たちに「見せたいもの」にしなければならないと考えています。
十数年間、そんなことを考えながらゲームを作ってきました。
今日は空がきれいでした。
このなんの企みも持たないただの空を見ても、
すべての人が「きれいだ」、と思うこともないのでしょうけれど。
その違いを絶望とはせず、少しずつ歩んでいきたいと思います。
| 固定リンク
本日は結婚一周年記念でした。
主人と婚姻届を提出したのは、もう一年も前になるのですね。
この一年間は、あっというまでした。
今でも時折、入籍したときのことが思い出されます。
誕生日に、主人に喫茶店に呼び出され、
デートだとはしゃぐ私の前に、ひらり差し出されたのが婚姻届でした。
そのうす紅色の薄紙を見たとき、胸が高鳴ったのを覚えています。
記入をすませ、
このまま籍をいれるのかな?、と思っていたのですが、
主人は、なぜかそのまま持ち帰ってしまいました。
いつ入籍するのかしら?
私の誕生日じゃないとすれば、十月の主人の誕生日かしら?
そう思っていたのですが、
去年のこの日、突然、「婚姻届を出しに行きましょう」、
と言われました。
今日は、なにかゆかりのある日なのですか?、
と尋ねる私に、主人は言います。
「すでにある、なにかの記念日じゃなくて、
あたらしくふたりの記念日を作っていこう」
そのとき、雲間からさあっと光が差し込んでくるように感じました。
ふたりで生きるということは、こういう事なんだ、と――。
誰かの作っている流れに考えもなく流されていくのではなく、
人々の思惑が、事情が、入り乱れる急流を、
自らの意志を力に換え、渡っていくことなのだと。
私にはない考え方を実践して見せて、少し先を歩いてくれる主人。
主人に置いて行かれないようにと、必死になって歩んできた日々は、
いつも新鮮で、光に満ちていました。
一年目のお祝いは、ナンバーケーキで。
これからも、
家族と一緒に、幸せを重ねて生きていきたいです。
| 固定リンク
これは少し前のお話し。
来月に出産予定日を控えた、5月のある日のこと……。
主人「美和さん、散歩いきましょう!」
と、突然、主人が言い出しました。
主人「安産には適度な運動が必要なんでしょう?
大丈夫。久しぶりに、ふたりでゆっくり歩こうよ」
主人は、新しい土地に来たばかりの私のことを
気遣ってくれたようでした。
なんて優しいんでしょう!
さっそく主人の案内でお散歩へ。
そこは田んぼが広がるのどかな風景でした。
主人「ここら辺はよく歩いたなあ」
と、目を細める主人。
ここは主人が幼少時代を過ごした土地なのです。
主人「浜っ子の美和さんから見たら、なんにもない田舎でしょ?」
生田「横浜っていっても、
私が育ったのはそんなに都会じゃない所ですよ。
畑もいっぱいありましたし。
子供の頃は、虫取りやザリガニ取りしましたもの」
緑も水もきれいな田舎道を手を繋いで歩いていると、
子供時代が思い出されます。
生田「あ、カエル!」
主人「いっぱいいるよ。もっと川の方いこうか?」
生田「はい!」
カエルやトンボに感激しながら川をさかのぼっていくと、
すぐに、ちょっとした山に入ってしまいました。
道の先はうっそうとした緑に覆われています。
生田「そろそろ戻りましょうか?」
主人「そうだね。
じゃあ、山入ろうか」
生田「え?」
主人「大丈夫、大丈夫!
来た道戻るより、絶対こっちの方が近道だから。
いや、この道も、久しぶりだなあ……」
と、嬉しそうに歩き出す主人。
しかし……。
主人「意外にかかるなあ……」
生田「あなた……。私、トイレに……」
実は妊婦さんはトイレが近いのです。
主人「そうか。
じゃあ、そこらへんで」
生田「はいっ?!」
主人「大丈夫、そこらへんなら誰にも見られ……」
と、ふいに言葉につまる主人。
不思議に思って、主人の見ているそこらへんの茂みを見ると、
そこには……。
生田「な、なんでこんなに
鳥の羽が散乱してるんですかっ!?」
主人「やられたんだろうねえ」
生田「な、なにに!?」
主人「そりゃあ、ナニカに……」
ナニカって! あなた!
この鳥の羽自体、
けっこう大きいんですけど!
主人「急ごうか」
生田「はいいっ……!」
家路を急いでいると、ようやく道が開け人里に。
きれいな小川にかかる橋の前で、主人が言います。
主人「ほら、そこの橋を渡ればすぐだから」
生田「本当?」
喜ぶ私。
主人「だから、いいかい?美和さん。
くれぐれも俺が足を置いてる、
このへんに足置いて渡ってね」
あなた!
あなたが足を置いてる
以外の場所、
穴だらけなんですけど!
そんなこんなで、なんとかおんぼろ橋を渡り、
無事、帰宅。
そして翌日――。
なんと、まさかの陣痛で、そのまま出産!
助産師さんにも「たいへんいいお産ですよ」と
言われるほどの安産でした!
主人「俺の散歩が効いたんだねえ」
いいえ、あなた!
あかちゃんが
「いま、生まれとかないと、
ヤバイかも!」
って、思ったんだと思います!
主人の大丈夫は、だいたい大丈夫じゃないけれど、
結果として安産になるあたり、
とっても主人らしいなあ、と思ったのでした。
| 固定リンク