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2007年11月21日 (水)

夫婦レベル3

その日、私は妙な夢を見ていました。


幅の広い川のほとりに、中年男性がいました。
その男性は、鋭い表情であたりを見渡しています。


私には気づかない様子です。
どうやら私は、テレビ画面を見るように、
外の世界からこの風景を眺めているようでした。


男性は誰もいないのを確認して川の中に入ると、
隠し持っていた箱を取り出しました。
そして、にやりと笑うのです。


「なにか、悪いものを流すつもりなんだ」と私は思いました。
不法投棄です。私は、怖くなってきました。


男性は箱から何かを出して、川へと流していきます。


それは――
つぶらな瞳が愛くるしい、
茶色と白のまだら模様のふさふさした毛の、
体全体が顔とお尻のような、まんまるな生き物で……


モルちゃん!


私は夢の中で叫びました。


モルちゃんが、不法投棄!


テレビ画面のこちら側にいる私には、どうすることも出来ません。


モルモットは水におびえています。
途中で木切れにつかまって、登ることが出来ましたが、
それ以上はどうすることも出来ません。
なすすべもなく流されていきます。


(ひどい……)


私は泣きました。モルモットがかわいそうです。
と、そこへ、優しい声がしました。


「川に入って助けてしんぜよう」


声はするのですが、姿は見えません。
この世界の神さまかなにかでしょうか?
私は、助けてくれとお願いしました。


「モルモットは無事助けたぞ。さて、どうするかね?」


私は、連れて帰りたいと思いました。
神さま(?)は私の望みをわかっているようでした。


「では、連れて帰るとしよう。
 ついては、名前を決めねばならんな。


 ……ハム太郎でいいかね?




神さま、


それは、ハムスターの名前です


私が嫌がってるのを、神さまも察したようでした。


「じゃあ、おぬしは、どんな名前がいいというのだね?」


聞かれて、私は悩みました。


モル男で……)


え?

そのモルモット、男の子なの?


酷いネーミングに、神さまも動揺しているようでした。
すぐに、私は打ち消しました。


(モル男じゃ、まるでダメ男みたいでダメだから……)


「では、モルッチュでどうか?」


さすが神さま! いい名前を考えます。
かわいいし、男の子でも女の子でも通用しそうです。


ほっとしていると、すぐ側に、かわいい気配がありました。
モルモットが来てくれたのです。


「さあ、モルッチュがやって来たぞ」


うれしくなって、モルモットを抱き上げました。
これでこの子も、生きていけるのです。


すると突然、ピ~ポロリ~♪と変な音がしました。
モルモットも驚いて飛び上がったようでした。
私はモルモットを川に落としてはいけないと、しっかり捕まえていました。


でも、なんだか様子が変なのです。
モルモットがゴツゴツとしているんですよね……。
ハッとして私は目覚めました。


私は、主人の手を思いっきり、引っつかんでいました。


主人「おはよう、美和さん」


目覚めると、主人の笑顔がありました。
変な音の正体は、洗濯機が洗濯を終えた合図でした。
主人は先に起きて、洗濯していてくれたようです。
私は、長い夢を見ていたのだとわかりました。


主人「だいぶうなされてたけど、覚えてる?」


生田「よく覚えてないけど……。
   すごく疲れた……。
   モルモットが出てきたような気がする」


主人「うん。

   モルモットが不法投棄されてるって泣いてたから、
   僕が川に入って助けてあげるって、言ったんだよ。

   連れて帰りたそうにしてたから、
   じゃあ、名前つけてあげって言ったら、

   だいぶ悩んで、うなされてたけど

   悪夢から覚めて、よかったよね」


生田「……」


主人「だいじょうぶ、だいじょうぶ。
   また悪夢を見たら起こしてあげるよ」


あなた!

あなたは私の夢を

面白おかしく演出して

楽しみたいだけなのではっ!?

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