2011年5月30日 (月)

シスタークエスト2ファンブック発売日決定!

シスタークエスト2~魔剣の騎士と白銀の巫女~の
ファンブック発売が決定しました!
2011年6月20日です!

シスタークエスト2~魔剣の騎士と白銀の巫女~ファンブック

20110530

私、生田美和のインタビューもあります。
白夜書房さんのサイトで内容をご確認くださいね。

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2011年5月29日 (日)

さざなみのみなもと

我が子の誕生日に来てくださったお義母さまが、
帰ることになった。

今日は、生憎の雨――。
「だいじなお孫ちゃんを雨にあてたくない」
という理由で、一緒にいる時間が削られていく。

それでも傘を持って我が子を抱いて、
お見送りに出た。

我が子は始終、不機嫌だった。
いざ、バイバイするだんになって、
我が子は手をふることもできなかった。

我が子を抱っこしての帰り道、
我が子は私の肩に顔をうずめて静かになってしまった。



生田「どうしたの? 眠くなっちゃった?」


首を振る我が子。



生田「ねえ、ママのこと好き?」

我が子「しゅき」


と、我が子は低い声でボソッと言った。



生田「パパのこと好き?」

我が子「ぱぱしゅき」

生田「横浜のじーじ好き?」

我が子「うん、じーじしゅき」

生田「横浜のばーば好き?」

我が子「よこはましゅき」

ちょっと、混乱してきたなー、と思いながらも、
我が子に聞いてみる。


生田「福島のばーばのことすき?」

我が子「ふくし、ばーばしゅき」

生田「みんなのこと好きなんだね」

我が子「うん、しゅきー」

生田「みんなもね、君のこと大好きなんだよ。
    だからね、またみんなで遊ぼうね」

我が子「うん」


肩の上、我が子がこっくりとうなずいた。

この寂しい気持ちは、誰かを好きだから生まれる気持ち。

誰かの存在が自分の心の湖にさざ波を立てることがあっても、
それが耐え難い大波になったとしても、
その気持ちがやってくる源を知れば、受け止められると思う。

生まれくる気持ちの意味が少しでも伝わればと思う。

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2011年5月28日 (土)

生きる覚悟

我が子の誕生日に、お義母さまが来てくださった。



「クラスの半分位の子は疎開していなくなったんだー」

「授業は体育館でやってる。入学式は廊下で……。
 入学式が出来なかった学校もあるよ」

「新しい学年にあがったのに、その実感がないんだって、
 子どもたちが、もらしていたよ」

「町はゴーストタウンみたいだー」

「町では笑わないようにしているって人もいるよ。
 家族も家も、何もかも失った人がいるんだもの。
 逃げたくても逃げようがない人がいるんだもの。
 どんな精神状態か……」

子どもがお昼寝して、おとなたちだけになったとき。
お義母さまから、その「声」が聞こえてくる。
現地の人々が発したという、その「声」が――。

悲しいばかり、悔しいばかりだ。

己の非力さに歯噛みしながらも、
なんでもお話ししてくださいね、と言うと、
お義母さまは首を振った。



「今は、なにも話したくない。自分のことは、なあんにも――。
 なあんにもだ――」

お義母さまの語り口調は、福島の方言だ。
いつも素朴で優しさに満ちていた。

その優しい声が、
ご自分の言葉で語れなくなる日が来るなんて――、
私は思いもしなかった。



「もう、みんな、いつ死ぬかわからないんだ。
 いつ、(命が)ダメになるかわからないんだ。

 でも、負けはしないぞ。
 私はな、大好きな場所で、あの家で、生きてくっから」

それがお義母さんから聞こえてきた、
お義母さんを語る、唯一の言葉だった。

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